Cloudflareは2026年9月21日、Python Workersの一般提供(GA)を発表しました。PythonをCloudflare Developer Platformの正式なサポート対象に位置づけ、AIライブラリやWebフレームワークを使ったアプリケーションをWorkers上で運用できると説明しています。
AIサービスの開発で注目する点は、外部APIの呼び出し、データベースへの接続、Cloudflareの各サービスの利用をPythonで組み合わせられることです。以下の対応範囲はCloudflareの公表内容に基づきます(2026年9月23日確認)。TechDaylightによる実測結果ではありません。
AIの呼び出しと処理の進行をPythonで実装する
openai、langchain、mcpなどのライブラリがPython Workersで動作するようになりました。従来は低水準のソケット操作への対応不足により、外部APIとの通信に使うrequestsやhttpxが正常に動作しませんでした。Cloudflareは、WebAssembly環境でHTTPリクエストをJavaScriptのfetch APIへ渡すための変更を上流プロジェクトに加え、ソケット操作への対応も進めたと説明しています。
Cloudflareの各サービスを呼び出すバインディングでも、PythonとJavaScriptの間の型変換をランタイムとPython SDKが扱うようになりました。例えば、Pythonの辞書をQueuesへ送る際に、開発者が変換処理を書く必要がなくなります。
同社が紹介する画像生成の構成では、依頼をQueuesで受け、Workflowsで処理を進め、Workers AIで画像を生成してR2に保存します。Pythonで処理全体を組み立てながら、推論の実行にはWorkers AIを利用する構成です。AI Gatewayを経由してリクエストを送る使い方も示されています。
| 用途 | 発表で示された対応 | 利用時の条件・範囲 |
|---|---|---|
| AIライブラリ | openai、langchain、mcp | Workers AIやAI Gatewayとの組み合わせを紹介 |
| Web API | FastAPI、Django、Flaskなど | WSGIまたはASGIに対応するフレームワーク |
| データベース接続 | Hyperdrive経由のPostgreSQL・MySQL接続 | Hyperdriveへの接続とWranglerのバインディング設定が必要 |
| ネイティブ拡張を含むパッケージ | PyEmscripten向けの対応を拡大中 | C・C++・Rustの拡張にはWebAssembly向けビルドが必要 |
APIサーバーと既存データベースを接続できる
FastAPI、Django、Flaskをはじめ、WSGIまたはASGIに対応するWebフレームワークを利用できます。workers.wsgiとworkers.asgiがWorkersへのリクエストをPythonアプリケーション向けに変換し、レスポンスを返します。Webサーバーの役割はWorkersが担うため、Worker内でUvicornやGunicornを起動する構成は必要ありません。
PostgreSQLやMySQLへの接続にはHyperdriveを利用できます。従来はTCPソケットが未対応で、データベースドライバーを使えませんでした。今回、Pythonのソケット操作をWorkersのconnect APIに対応する呼び出しへ変換する実装が加わりました。
利用時には、データベースをHyperdriveへ接続し、Wranglerの設定にバインディングを追加します。発表ではaiomysqlによる接続例を示していますが、対応ドライバーの全一覧は掲載せず、詳細はドキュメントで確認するよう案内しています。
移行の判断は、依存パッケージの対応状況から
It means Python is now a first-class, fully supported language on the Cloudflare Developer Platform.
CloudflareはGAの意味を上のように説明し、Pythonを正式にサポートする言語としています。一方、Python WorkersはWebAssemblyのサンドボックスで動くため、C、C++、Rustのネイティブ拡張を含むパッケージにはWebAssembly向けのクロスコンパイルが必要です。
同社は、ブラウザー環境向けPythonのプラットフォームを標準化するPEP 783が採択され、PyEmscripten向けパッケージのビルド・公開を進められるようになったと説明しています。ただし、パッケージ側での対応は普及の途中です。今後も対応パッケージを増やし、性能とメモリ効率を改善する計画を示しています。
既存のPythonサービスを移す際は、利用中のAIライブラリに加え、その依存パッケージにネイティブ拡張が含まれるかを確認することが出発点になります。Hyperdriveを使う構成では、採用するデータベースドライバーの対応状況も確認が必要です。発表には、料金、実行時間やメモリの制限値、SLA、非推奨化の方針について具体的な条件は記載されていません。本番移行には、これらの利用条件も別途確認する必要があります。
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