英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は2026年9月22日、医薬品開発でのAI利用について、組織の意見を求める募集(call for evidence)を公表しました。
意見を求めているのは、MHRAとRegulatory Innovation Office(RIO)です。集めた意見は、2026年6月に発表された規制サンドボックス「Beyond ADMET: AI for medicines safety」の開発に生かすとしています。
締め切りの時刻の記載
募集ページは、締め切りの時刻を2通りに記しています。要約欄は2026年12月22日の午後5時、質問票の締め切りを示す欄は同日の英国時間午後11時59分です。本記事では日付だけを記しました。
根拠とした資料とライセンス
根拠とした資料は、MHRAがGOV.UKで公表した募集ページ1件です。規制サンドボックスの具体的な設計や参加の条件、募集後の規制上の措置は、このページには書かれていません。
募集ページはOpen Government Licence v3.0の下で公開されています。Contains public sector information licensed under the Open Government Licence v3.0.
ライセンスの全文は、https://www.nationalarchives.gov.uk/doc/open-government-licence/version/3/ に掲載されています。
AI利用の現状と障壁を、医薬品開発に関わる幅広い組織に尋ねる
募集ページは、AIには医薬品の安全性評価を改善する可能性があると説明しています。この安全性評価には、医薬品の吸収・分布・代謝・排泄・毒性(ADMET)の予測と評価が含まれます。
その手段として挙げるのは、従来の前臨床データに、臨床データとリアルワールドデータを組み合わせることです。臨床データとリアルワールドデータには、集団や病態、臨床条件によるばらつきが反映されるとしています。
募集ページによると、これにより、医薬品が体内でどう振る舞い、異なる集団や臨床条件のもとで実際の医療の場でどう働くかを予測する新しい方法が得られる可能性があります。潜在的な安全性リスクを早い段階で見つける助けにもなりうるとしています。
今回の募集で知りたいのは、組織がAIを使った手法を現在どう利用し、開発し、または利用を計画しているかです。直面している障壁や課題も尋ねています。対象には、モデルの開発と検証、データへのアクセスと共有、規制上の考慮事項などの領域が含まれます。
意見を求める相手は、医薬品開発の過程のさまざまな段階に関わる組織です。毒性学や前臨床・臨床の研究と試験のほか、ライフサイエンス、バイオテクノロジー、AIなどの関連分野を挙げています。
現時点で医薬品の安全性に関わる手法にAIを使っていなくても回答できます。将来の計画や、ニーズが満たされていない分野にも関心があるとしています。
回答では、可能な範囲で現在の実務や課題、優先事項が分かる事例を添えるよう求めています。回答はオンラインで受け付け、募集は2026年12月22日に締め切られます。
集めた意見は6月発表の規制サンドボックスの開発に生かす
募集ページによると、集めた意見は、規制サンドボックス「Beyond ADMET: AI for medicines safety」の開発に生かされます。この分野での今後の規制上の取り組みも支えるとしています。
結果は、イノベーターや研究者との今後の対話の進め方を形づくる助けにもなるとしています。その対話には、主要な論点をより詳しく検討するワークショップなどの機会が含まれます。
EDITORIAL VIEW
編集部の見立て
ここからは、上の事実をもとにした編集部の読みです。確認された事実ではありません。
今回の募集は、6月に発表された規制サンドボックスの中身を固める前に、AIを使う側の実務と障壁を集める段階にあることを示していると読めます。尋ねる項目にモデルの検証、データへのアクセスと共有、規制上の考慮事項が並んでいることから、検証とデータの扱いが設計上の論点として意識されているとみられます。
ただし、根拠は募集ページ1件で、サンドボックスの参加条件や具体的な設計、募集後の規制措置はまだ読み取れません。
確度 低限られた資料からの推測で、新しい材料が出れば変わりえます。
見立ての根拠にした資料
- Medicines and Healthcare products Regulatory Agency — Beyond ADMET: AI for medicines safety - survey:募集ページが挙げる論点(モデルの開発・検証、データへのアクセス・共有、規制上の考慮事項)と、結果を2026年6月に発表された規制サンドボックスの開発に生かすとする説明を根拠にしました。サンドボックスの設計そのものは原典にありません。
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